楡男

一億人の腹痛と辞書と毛虫とオレンジと

沖合シュマルカルデン

シュールなひもを抱えたhold me tightが巨大なゴキブリみたいに夜の電線を伝ってく。一番下の階に取り残された彼にできるのは誰もいないオフィスに浅漬けみたいなFAXを送り続けることだけ。茄子のへたを取り除く仕事に飽き果てて勤め先のトイレに少年ジャンプを流したあの日、ゼリーにひたされてうるんだ太陽のようなみかんの皮を剥けば、コップにたわむれるミントの葉脈の中まで見渡せるのだった。グラウンドの砂埃をいっぱいに吸い込んで、たばこをくわえたまま後頭部からまっすぐに倒れた膝の上でケセランパサランにくすぐられる地獄のようなゆりかごが待っている。小皿に練りわさびをちょこんと添えるときの一瞬の緊張を湯葉で巻いて食べる談笑の席。駅のホームを裏返した行き場のない空間のそでで、ゲームボーイをしている子供の僕がいた。

 

・・・詩を書けば何かがわかると思って10分くらいでなにかこしらえてみましたが、わかるのは浅漬けみたいなことがらばかりで、もっとテーマを絞って書き始めねばなりません。