楡男

一億人の腹痛と辞書と毛虫とオレンジと

しょぼくれピック

やっぱ何かしら書いた方がいいよな。と思い直した。言葉を遊ばせる時間が必要。

統一地方選挙の一環たる市議会議員選挙が明日に控えているので、投票先の絞り込みを行っていた。というか各戸に配られるはずの選挙公報が来てなくね?と気付いて、昼食を買いにコンビニに行くついでに市の出張所まで足を運んで(と言うほどもなく近所なのだが)取ってきた。立候補者は30何人いて全部に隅々に目を通せるほどの集中力は私にはないので、ぱらぱらと目を通して見どころのある人ない人をざっとより分けた感じ。本でも音楽でも旅行でもそうだけど、一度ではすべての情報を受け取れないと割り切ったら生きるのが楽になった。手抜きするのだから楽になるのは当たり前なんだけどさ。

気になる候補が何人か出てきて、調べてみたらこれから駅前で演説をする候補がいるということだったのでさっそく出かけた。こんな無計画な動き方でも、近所でやっているので間に合ってしまうのが地方選挙のいいところだな。人はまばらで、国政に出てる有名議員でもなければこんなものじゃないかと思うが、そんな中で一人だけ前に出て食い入るように聞くのもなんだか威圧感を与えそうだし自分自身恥ずかしかったので、少し離れた場所でスマホをいじるふりをしながら「耳だけ参加」してた。

駅前は、ちょっと場所を動けば別の候補者が演説をしているという具合で、政治家の展示会のような様相を呈していた。もう何人か聞いて、せっかく街に出てきたので少し買い物をしていたら足が疲れてきたので帰宅した。

夜も、気になる候補者が演説をするというので近くのスーパー前まで足を運んだ。徒歩で20分ぐらい? ここまでくると「近所」と呼びづらいのは否めないが、まぁでも土地勘は全然利くような場所だった。ここでも「耳だけ参加」スタイルで臨んだ。支持者と思しき聴衆が何人かいる中、少し離れた位置に立って聞いているのかいないのかよくわからない奴がなんかずっといるみたいな感じになってしまい、かえって警戒させてしまったかもしれない。おまけに演説が終わって(ちょうど「マイク納め」の時刻だった)、候補者が聴衆と握手を交わしたりする時間が始まるや否や私はスーパーの中に逃げ込んだので、さらに怪しかったと思う。

スーパーの中に「逃げ込んだ」と書いたんだけど、これは周囲からそのように見えたであろうということだけでなく、自己認識の上でも追っ手から逃げるような心理が働いていたので、素直な表現なのである。別に逃げる必要なんてないんだけど、他人と個人同士の関係が発生するのを妙に恐れているところがある。