楡男

一億人の腹痛と辞書と毛虫とオレンジと

選挙

朝一で投票に行った。前回、午後六時くらいに行った時と変わらず、おっさんとおばさんしか見えなかった。近頃すこし忙しかったので、選挙公報とか見る暇もなく、いや普段の読書とかインターネット閲覧とかはしてたし、なんなら酒飲んだりもしてたわけですが、「ヒマだなー」と思えるくらいヒマにならないと政治のことに目を向ける気にはならないのであった。そのくせ選挙に行くのは、若者は投票率が低いといわれてることを受けてのあまのじゃく精神の発揮なのかもしれないなあ、第一に。というわけで政策なんかろくろく見ずに前もって決めていた投票先を鉛筆で書いていると、「こんなんでいいんかなあ」という気がしてくるのであり、いいかどうかというとよくよく吟味せずに投票するなどというのは愚かしいし、でもまずは投票という行動を起こすことに意味があるとも言えるんだろうと思った。つまりいいとも悪いとも決定的にはいえない。いいとも悪いとも言えないことを、わざわざ早起きしてまでどうして投票所に足を運ぶのだろうと思わないでもない。

なぜ朝一に行ったかというと、朝からバイトがあるからだった。一ヶ月くらいの短期だ。もうこの仕事はやりたくない。そしてこれが終わったらもうこの仕事はやらないことに決めたので後ろ向きなことを詳しくは書かない。昼食に入った牛丼屋で、ラジオでボブディランの Like a Rolling Stone が流れだして、コード感だけで泣けそうだなあとか考えていた。泣くってのは意外と単純な仕掛けで作れるっていうか、あと子供が泣いてる声を聞くとなんだか泣きそうになるよね。でもつづけて聞いていると、ボブディランが「juiced in it〜」とかなんとか歌うその歌い方で泣きそうになっていることに気がついたので、これは尋常じゃないって思って、 "Highway 61 Revisited" を将来的に買うことに決めた。