楡男

一億人の腹痛と辞書と毛虫とオレンジと

2024-01-01から1年間の記事一覧

じょうろは丈夫

人の気持ちが分からないと言っている人を見て、わたしも人の気持ちが分からない、と思ったが、より正確に言うと「人の気持ちとは何かが分からない」「人の気持ちがわかるとはどういうことかがわからない」だと思った。『自閉症スペクトラムの精神病理』の前…

忍び足の進行役

「大学に行ってよかったですか?」みたいな色々な答えかたができる問いについて、例えば「今もときどき会う友達ができたのでよかったですね」「図書館で専門書が読み放題だったのでよかったですね」などなどの仕方で一面を切り出して「よかった」「よくなか…

佐々木健一『タイトルの魔力』

佐々木健一『タイトルの魔力 作品・人名・商品のなまえ学』、中央公論新社(中公新書)、2001年。299pp. www.chuko.co.jp 最近、川柳の同人誌に参加するということがあり、そのさいに(川柳の連作を構成することの困難もありつつ、それ以上に)連作にタイト…

松本俊彦『世界一やさしい依存症入門』

松本俊彦『世界一やさしい依存症入門』、東京:河出書房新社、2021年。四六判、232pp. www.kawade.co.jp 良書でした。良書なので「言いたいこと」があまりない。「14歳の世渡り術」シリーズの1冊で、いわゆるヤングアダルト向けだけど、依存症を知るための最…

脂質は思想犯

書くことがいろいろある気がする。書こうと思ったことのすべては書けない、半分も書けない、それが日記の宿命であることは知っているので、全部書けることをあらかじめ期待しないが、書けるだけのことは書いていこう。 言い訳という言葉が嫌いだ、というよう…

松本俊彦編『「助けて」が言えない』

読んでた期間: 2024/4/27~2024/5/8 松本俊彦編『「助けて」が言えない SOSを出さない人に支援者は何ができるか』、東京:日本評論社、2019年。B6判、263pp. 雑誌『こころの科学』の特集を増補して書籍化したもの。援助者(医療従事者や支援団体の所属者)の…

源河亨『感情の哲学入門講義』

源河亨『感情の哲学入門講義』、東京:慶應義塾大学出版会、2021年(2022年4刷)。235pp. www.keio-up.co.jp 「感情」を軸として、哲学や経験科学も含めた議論や知見を紹介する本。大学の授業テキストとして企画されており、半期の授業回数に合わせて15章立…

アンセムであやされる

なんかさいきんかゆいんだよね。アトピーで。ストレス要因はないと思うので気候の変化によるものなんだろうけど。 というわけでひさしぶりに日記。ここまでに本の感想の投稿を2個挟んでいるけど、あれはTwitterに書こうとしたものが長くなったのでこちらに掲…

『川柳ZINE Poisson』vol.1, 2

2024年3月に吉祥寺ZINEフェスで入手した『川柳ZINE Poisson』vol.1, 2 から、気になった句をピックアップして感想を書きます。 言うまでもありませんが、句の読み方を規定するものではありません。一つの鑑賞例として見てもらえればと思います。(流通部数が…

内海健『自閉症スペクトラムの精神病理』

内海健『自閉症スペクトラムの精神病理 星をつぐ人たちのために』、東京:医学書院、2015年(2022年4刷)。294pp. この本は読んでよかったなあ。 自分がASD(グレーゾーン)であるというアイデンティティをここ1年ぐらいで持つに至って、至ってたんだけど、…

へぎそばに変身

ここ1~2ヶ月ぐらい、仕事で頻繁に出張があって、飛行機やら新幹線やらに乗る機会が多かった。わかったんだけど長距離移動は長距離移動だというだけで体力をごっそりもっていくものなんだね。わたしの身体という物理的存在が座標Aから座標Bに移動するという…

モモンガ風のモディリアーニ

仕事の出張で、ある県へ来た。知らない土地のバスに揺られながら、なぜか高校生の頃の〈あの感じ〉がよみがえっていた。脈絡はない。私は曇り空の下、自転車をこいでいる。高校入学を機に父親に買ってもらった自転車だ。定期的に雑巾などで拭いてメンテナン…

胃薬はいじらしい

西武球場は世界の玄関 - 楡男の日にした検査の結果を聞きに病院に行かなきゃいけなくて、この日記を書いた1週間後に行こうとしたんだけど、シャワー浴びて外出の準備したところでネット受付しようと思ったら人数がいっぱいで受付終了になってしまっていたの…

いとも簡単にイ・ビョンホン

なんとなくTwitterに書く感じでもないのでここに書いとく。きのうはMSDマニュアル(オンラインの医学事典)でパーソナリティ障害の項目をざっと見していました。ちかごろ自分の心の問題への反省が進んでいて、ここ1年ぐらい自分は発達障害(グレーゾーン)を…

西武球場は世界の玄関

休日は平日より忙しい。私は私の人生にしてやらねばならないことがたくさんある。生き急いでいるなと、ちょっと思うけど、でも今まで何もしてやらなすぎた、その反動だと考えると自分的には納得できる気がする。ただ休息はとらねばならない。 土曜日。午前中…

ブルックリンにぶらり旅

ダウナー系日記はまだしばらく続くかなあ。日記はじめた頃からわりとそんな基調である気もするけど。最近は自責の自動思考がひどくて、道を歩いてるとき、トイレにいるとき、風呂に入っているとき、心にすきまがあるとふっと風が吹くようにそれにさらされる…

最終的に魚屋さん

ここ数日は孤独に悩みがちだ。仕事が早く終わると空しさを感じることが多い。もちろん、早く終わること自体はいいことだし、そうあるべきだ。でも持て余した時間*1を何に使おう、何をしても無意味なのにという自動思考が走ってしまう。その思考の抜け道は今…

小走りに工事中

部屋の隅にずっとある空のスプレー缶、間違って蹴とばして存在に気付き「ああもうこれ早く捨てないと……」と思う。捨てないと、どうなるのか。捨てないと「次に行けない」ということなんだと分かった。「捨てないとダメだ」という言い方がまっさきに思いつく…

目出し帽も迷宮入り

つい先月ぐらいから化粧水を使うようになったんだけど、それで今日ふと思い出した。大学生のころ、市販の化粧品が信じられなくて(よくわからない成分がたくさん入っているから。)自分でグリセリン水を作って使っていたことがある。作り方はネットで見たん…

過去分詞専門店

ごあいさつ(こういう構成になった理由は本文の最後の方を見てね) こんにちは、皆さん。面白でもお役立ちでもない、ひとかどの人物がやっているわけでもないこのブログを見にきてくれる人がいるのは、とてもかけがえのないことだと思います。私の文章に注意…

駒込リファレンス

白髪は大学院生時代に一時期あるのに気づいて、気にしたり気にしなかったりしていたらいつのまにかなくなっていたんだけど、最近一本の白髪があることに気づいて、やはり気にしたりしなかったりしているんだけど、今回はなくなる気配がない。 壁に貼り付けら…

かしましホットスナック

今日の仕事終了。この木金は療養のために割り切って仕事の手をかなり休めてた。要するにサボってた。ほんとは、そういうときは休暇を取るのが正しいんだけど、 緊急性の高い問い合わせが臨時で来る可能性が高い 対応できるのが自分しかいない 予定された(締…

秘伝ごっこ

一日の終わりに、その日あったことや達成したこと・体調のことなどをiPhoneのボイスログに吹き込むことを最近のルーチンにしている。理由は──習慣としてなじんでくると、それを始めた理由はやがて忘れてしまう──、しゃべる練習をしたいということだった気が…

コンソメサイドバー

そういえば最近は「死にたい」と思う頻度がぐっと減ったなあと気付いた。私にとっての「死にたい」は、「これから起こる問題に自分は対処することができない」という無力感を伴っているとも気付いた。つまり端的な逃避の意味でその言葉を思っている。 何かが…

いつもの訓読み

「一日中寝てたいような空模様だ、1月ってこんな感じだっけ?」とTwitterに書いた。空が白くて薄暗い。こういう日に朝ふとんから出ずにまどろんでいるのは気持ちがいい。1月がいつもこんな感じなのかは知らない。思い出せない。わたしはこれでも天気のことを…

干し肉レーダー

風呂のお湯入れてる間に何か書くか。去年からかかずらっていたストレスのかかる仕事、その最後っ屁みたいなのが出てきてうんざりしながら残業してた。この会社やめるのは既定路線ではあるけど、改めて、早く辞めたい。この言葉はなんだか自分で言ってて物欲…

バリカタ讃歌

年始にあった出来事の残響がまだ続いていて、ことあるごとの内省の産物としてあまり直視したくなかった自分のことが定期的に掘り出されている。掘り出し物だ。 相変わらず、なんの面白みもないことを書くけれど(と、この話題では謙遜から始めたくなる)。私…

むかごに化かされて

自分のダークサイドを掘り起こしていきたい。このダークサイドとは「暗部」の意、文字通り隠れている部分の意味で言っていて、特に反道徳的だとか過激だとかいう部分のことでなくてもよく、いろいろの事情で直視せずに済ませてきた部分のことを言う。要する…

犬笛の遠吠え

年末年始の振り返りをしておこう。 2023/12/29 (金) 比較的のんびりと過ごす。RTA in Japan の中継を見ながら家計簿の入力などをしていた。夜に配信イベントで「ヒルカラナンデス」恒例年末スペシャル「クレナンデス」を視聴した。 2023/12/30 (土) 2023年は…

粗熱サシェ

部屋の片付けその2をした。昨日のようなつらさはなかった。午前中から取り掛かったのが良かったかしらねえ。昨日のように終わらない仕事をしながら日が暮れていくと、深い森の中に取り残されたようにもう二度と帰れない気がしてくるので、そうならないように…