楡男

一億人の腹痛と辞書と毛虫とオレンジと

はっきりと白文

何かをしようという気持ちが尽きない3連休だった。何かをといっても、したのは買い物と自転車に乗ることぐらいだったが。

午前中から昼にかけて部屋の掃除をした。近頃少しは体力がついたかなと思うけど、掃除をはじめるとけっこうすぐに疲れてしまい、小まめに休憩をとる、というか何かにつけてサボった。でも1時間ぐらい自転車に乗り続けるほうが明らかに運動としての強度は高いはずで、そのときは小まめにサボったりはしないので、体力の話というよりは何か神経系に関係する話なんじゃないかという気もする。部屋の片付けなんかは複雑度が(作業としても、刺激の多様さという点でも)とても高い活動だとも思うので、情報の濃さに耐えられないのかも、と思ったりもする。一口で「疲れた」と言ったとしても。

ちょっと遅めの昼食に、デリバリーで近所のラーメン屋から丼ものを取り寄せたら、驚くほどの量のものが届いた。プラ容器を持っただけでわかるずっしりとした量。自分が「ちょっと多いかな」と思う量の2倍ぐらい入っていた。それを何回かに分けて食べて、そしたら当然動けなくなるのでNintendo SwitchとかYouTubeで時間を潰して、とやっていたら夕方。

自転車の空気入れを買おう、と思い立って、都心じゃないほうの街へ出かけた。で、帰ってきてさっそく使ってみたらちゃんと空気が入れられて、昨日書いたようなトラブルはやっぱり空気入れが劣化してたんだ……となった。ただし、もしかすると私が空気入れの正しい使い方を分かってなかっただけかもしれない。私が就職してからほどなくクロスバイクを買ったときに空気入れも一緒に買ったんだけど、そのときから空気入れの正しい使い方って調べたことなかったんだよね。なんとなく、でやってた。私は余裕がなくなりがちなので、その何年もの間、ほんとうに自転車の空気の入れ方を調べる余裕すらなかったのだ。そんなわけで、「正常な空気入れならこうなる」みたいな観念が自分の中にできなかったので、今回のトラブルに見舞われても自転車のタイヤが悪いのか空気入れが悪いのか、さっぱり勘が働かなかったんですよね。それで、自転車は最近買ったものだから壊れていないと仮定して、問題を抱えているのは消去法で空気入れの方だろう、というきわめてざっくりとした推論から「空気入れを買い直す」という行動を導き出したわけ。

しっかりとした空気圧で空気が入ったので嬉しくなって、夜だけど近所を走ってきた。いつも自然とスピードを出してしまうんだけど、今日はヘルメットをしていなかったこともあり、つとめてゆっくり走ることにした。Apple Watchの記録を見たら平均10km/hのスピードだったから、ジョギングぐらいのペースか。そうするとホイールの転がり方で地面がわずかに下り坂になっているな、みたいなことに気付けて楽しい。たまに使うホームセンターの前を通りがかったら、この界隈は夜は静まり返っていて、動くものといえば瞬く信号だけだった。信号と対話している。