楡男

一億人の腹痛と辞書と毛虫とオレンジと

舌根シャーベット

「だめ感」におそわれていた。就職活動がいっこうにうまくいかない。企業は減点法で選考してるらしいので、おかしな点が一つでもあればすぐ落とすそうだし、僕はどちらかというとおかしな挙動をしがちなほうで、半分くらいはどのおかしな点で落とされたかはわかる。でもこう蹴られ通しだと元気なくす。成功が続いてると人はどんどん能動的になり視野も広くなるが、失敗が続けばどんどん丸腰になって地面しか見えなくなる。もともとない自信がさらにひしゃげて、関係ないことにまで影響がおよぶ。成功とか失敗とかって哲学やってる身としては非本質的なことがらなんじゃないのってさっさと封印したい気もするけど、考えてみると人間の認知活動になかなか深く根を下ろしているヤツラなのかもしれない。愚かな一般化なんだけど一つのことで失敗すると「自分はだめな人間だ」って全人格的な否定が入ったようにしみていきますね。書き出してみると典型的な認知の歪みだ。そういえば、企業に不採用出されると「全人格を否定された」かのような気がするって話が前はピンと来なかったけど、今思うと描写の仕方の問題だな。人事の人にビッて人差し指向けられて「お前には価値がない!!」て言われてガーン!ってなるような感じなら僕はしなくて、どっちかというと「ああ・・・やっぱ俺ってダメなんだ・・・」って夕暮れの川辺を歩きながら毒がまわっていく感じ。「だめ感」が体にしみとおっていき、選考とは無関係ないろんな人と対するときにもヒクツになってしまう。あいさつがうまくできないとか。ヒクツになっているあいだ、「ああ・・・俺ってだめな奴・・・」って思う、そこがいちばんだめなところ。ひさびさになまぐさい悩みコーナーでした。内定でないのもあれだが自分がどんな仕事に適してるかみえない、視野が狭まっててよくない。