楡男

一億人の腹痛と辞書と毛虫とオレンジと

汁なし除雪

盛りだくさんな仕事が年末で一段落したつもりだったのだが、なんかぜんぜん楽にならなそうだな。仕事で新しいプロジェクトが始まったけど始まった瞬間に先が思いやられる展開となった。わたしが悲観的すぎるのか?

あまり具体的に書くわけにもいかないので、抽象的に書いてみる。顧客のもとで何年か使われていたシステムが、新しいものに入れ替えられる。それにより、システムは単に融通の効かなさが増すだけのように見える。それに技術的にも後退するようにしか見えない。開発も、たぶん偉い人たちが遠目で見て考えたカタチよりもだいぶややこしい途をたどることになりそうだ。

それが見えて一日中ふさいでいた。今から取り組もうとしている仕事は世の中をよくしないし、労働者としての私を楽にするわけでもない。ただお金が動いて、そして風通しの良かった仕組みが息苦しい仕組みに置き換えられるだけ。

とはいえ私が悲観的な性格をもっていて、なおかつ一を聞いて十をわかった気分になるのが得意だということは念頭に置かなければならない。いくつかの資料に目を通しただけで、まだまだ状況が見えていない中での判断ではある。

それでもいままでと違って、プロジェクトが始まるときにこれほどワクワクしないという経験ははじめてだ。新しいものは何であれ(技術的に先進的とかそういうものでなくても)私を前向きにしていたはずだったが、ここ一年ほどで感じ方が変わったみたいだ。

アヒージョを作った。この料理を説明するのにオイル煮という表現がしばしば使われるがその意味が分かった。〈揚げたもの〉〈炒めたもの〉になるのではなく、その仕上がりは確かに〈煮たもの〉の食べ心地だった。