楡男

一億人の腹痛と辞書と毛虫とオレンジと

水揚げアフタヌーン

自己観察の日々ですが分かったことがあって、いや正確には薄々気づいてたけど確信できたことがあって、私は長い文章を読むのが得意ではない。苦手だ。あと上から下へと順番にリストを潰していくのも苦手だ。中学生のころ2ちゃんねる(当時)をよく見てたんだけど、あの掲示板のスレッドって1000個までレスをつけられるじゃないですか、過去ログのまとめ読みとかよくしてたんだけど、上から下へと目を通すことはできたけど1000に来る頃には息が上がっているというか、脳の一箇所に血液が集まっているような疲れを感じていたのを思い出した。いや2ちゃんねるのスレッド1本ってどのくらいの文字数なのかと思うけど。結構多いのではないか。1レス20文字でも1000レス集まれば20000文字でしょう。

読むことの認知的な仕組みに興味があって、というか読むことについて考えるための道具が欲しくって『文章理解の心理学』という本をネットで見つけた。見つけたというか知ってた。大学入ってすぐの、サークルの新入生歓迎会みたいなのがあったんだけど、そのときに図書館からこの本借りて読んでる最中だったんですよ確か。いや2年目とかだったかな? とにかく少なくとも大学生の頃から読むことに困難は感じていた。

文章理解の心理学 - 北大路書房 心理学を中心に教育・福祉・保育の専門図書を取り扱う出版社です

自覚的に本を読み始めたのは高校生の頃で、これ何回かTwitterとかで書いたかもしれないけど授業の合間の時間とか昼休みとかが暇だったもので(一緒に遊ぶ友達はできなかった)、何もせず呆然としているのもな、何だかな、と思って文庫本を持ち込んで読み始めた。ブックオフにも通うようになった。そのころは小説を読んでいることがほとんどで、筒井康隆とか安部公房が「好きな作家」だった。小説という形式の特性なのか、読み方が今と違っていたのか、読めないという感じはなかった。いちおう人並みに本が読めているというつもりでいた。とりあえずはじめからおしまいまで目を通せたら「上がり」だと思っていた。

大学には進学するものだとされていて、遅くとも3年生のときには自分は哲学科に進学するんだと思っていたから、岩波文庫の青いやつもいくつかは読んだ。わからなかったけど、哲学書はわからないものだからそういうものだと思っていた。ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』とか、なにをやっている本なのかと言われたら一言も答えられなかったけど、なんか刺激的なフレーズが入っていていいじゃん、世界観が、みたいなことを思っていたはずだ。

しようと思っていた話と全然違う話をしてしまいました。思い出話。あまり思い出話ばかりするようになると歳とったなぁと思いますよね。