楡男

一億人の腹痛と辞書と毛虫とオレンジと

下町ボルケーノ

背もたれのある椅子にしたら過ごし方がやはり全体的にだらっとする時間が増えたのは否めない。一方、キーボードは打ちやすくなったかな。余計な力が入らないし運指もなめらかだ。一日座ってるとやはり立って歩きたい欲求がたまってくる。ところで昨日今日となんとなく気分が下がりやすい。特に夕飯後は血液が胃に集まるのと関係があるのかどうかは知らないけど昔からなりやすい。伝統的にそうなりやすい。学生の頃からこれはあった。夕飯後のメランコリー。気持ちが下がっているときは私は「値しない」という思念をもつことが多い。私はおいしいごはんを食べる資格のある人間ではない。新しいゲームを買って楽しむ資格がない。とか。資格がある/ないという仕方で自分の行動にストップがかかること、その言葉が呪いのように(いや、呪いそのものだろう)私の体を重くしていることがある。むかーしむかし母親から躾けられるときにその表現を繰り返し聞いた。ほんとうに幼少期、遅くても小学生の頃にはその表現は聞かれなくなったが心の中には残っている。たぶん、証拠はないけど、母親もその母親からそのように言われて育ったのではないか。まぁそれはそれとして。〈誰もが幸せになる権利がある〉という命題を私も肯定するし、それが正しいものとして物事への態度をとり、行動するけれど、それが正しいと心から思えているというわけではない。わからない。それを本気で心の底から信じて行為している人がいるのかわからないし、かなりの程度は「有用なフィクション」みたいなものなんじゃないかと思う。思うしそれでいいとも思っている。ところでみなさんは憂鬱なとき何をしますか。時折訪れる軽いメランコリーに対してはこれといった対処をしていない。寝起きしているあいだにまた別の気分が起こっているから。