楡男

一億人の腹痛と辞書と毛虫とオレンジと

今月読んだ本(2023年7月)

先月の記録を見返してるんだけどなんだか隔世の感がある。なぜだ。歳をとると10年前が最近のように感じられたりするが、1ヶ月前が半年前のように感じる(こう書いてみるとインパクトないな)。

  • 古田徹也『言葉の魂の哲学』、東京:講談社講談社選書メチエ)、2018年(2021年6刷)。
    • https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000195634
    • タイトルで長いこと気になっていた。他の表現もありうる中でなぜこの表現でなければならないのか考え抜くこと、類義語の中で一つの単語を自分で選び取ること、それによって言葉に魂が宿ると読み取った。一つの納得のいく答えだった。
  • 中尾幸村、中尾孝子『図解わかる 会社をやめるときの手続きのすべて』、東京:新星出版社、2023年。
    • https://www.shin-sei.co.jp/np/isbn/978-4-405-10422-8/
    • 調べた限り2004-2005年版から続いているシリーズ?の2023-2024年版。
    • 会社やめるときに何をすれば/備えればいいのかまるで知らないことに気付いたので、早めに、ということで手に取った。
    • 法律や制度の話はそれ自体でも面白いんだけど、余裕がなかったので必要な部分だけ拾い読み。究極のところ、巻頭のまとめにすべてが網羅されている。
  • 竹井紫乙『菫橋』鎌倉:港の人、2019年(初版)。
    • https://www.minatonohito.jp/book/367/
    • いま新刊で入手できる現代川柳の句集は積極的に購入することにしている。
    • 575の定型に則った端正な作りの句が多い。それで安心しているとドキッとする作品に出会う。
  • 岩波明(編集)『これ一冊で大人の発達障害がわかる本』東京:診断と治療社、2023年(初版)。
    • http://www.shindan.co.jp/books/index.php?menu=10&cd=255800&kbn=1
    • 成人の発達障害について、医療者・支援者にたいして必要な情報を提供する本。当事者向けのやわらかい本よりも私は参考になった。通説として押さえておくべき知識はこれである程度固められた気がするので、次はより個別的な内容の本に行きたい。
  • 岡野原大輔『大規模言語モデルは新たな知能か──ChatGPTが変えた世界』東京:岩波書店(岩波科学ライブラリー)、2023年(1刷)。
    • https://www.iwanami.co.jp/book/b625941.html
    • 実質1日程度で読めてしまった。140ページの紙幅・一般向けのあつらえで伝えられる最大量の情報が載っているのではないかと思う。
  • 暮田真名『うわの空のすすめ──自分が見つからない人のための現代川柳案内』東京:金風舎(次世代の教科書シリーズ)、2023年。
    • https://kimpusha.co.jp/20230630-1/
    • 電子書籍。電車の中で読むものがなくなるという私にしては珍しい事態に見舞われ、車中で購入、そのまま読み終えた。
    • 10代ぐらいの人向けを意識した、川柳人に対するインタビューの記録。穏やかでありつつ率直な受け答えが小気味よく、ときどき鋭い評言が混ざる。
  • 島健一『ただならぬぽ』、調布:ふらんす堂、2017年(同年2刷)。
    • https://furansudo.ocnk.net/product/2299
    • 川柳を学んでいたら他の詩形のことも気になり出し、以前買っておいたものを出してきて続きを読んだ。俳句1発目としては難しすぎたかもしれない。