楡男

一億人の腹痛と辞書と毛虫とオレンジと

プルタブ讃歌

先週末からコロナになってました。新型コロナに罹患した。まあ流行が何度も繰り返される中で自分もリモートワークとはいえ外出する日も普通にあったし、確率的にいつかは感染するのだろうと思っていた。

順を追って書いていくと長くなるし、そもそもこの話題について一般的なこと以外の個人的なことを書くのは困難を伴うので、なるべく簡潔に書いてみたい。(苦しみながら700字ぐらい書いて消していまここ)

症状の経過について。最初は喉の違和感、それから熱が出て、ここまでは風邪かなと思っていた。ただ手元のスマホで調べてみると風邪というよりはコロナの特徴に一致している気もするし、それに陽性だとすると症状がなくても会社を休んだりしなきゃいけないからと検査したら陽性だった。恥ずかしながら何の備えもしていなかったので、陽性だとわかる前に発熱状態で隣駅のマツモトキヨシまで検査キットを買いに行った。

初日はただ寝て回復を試み、2~5日目はロキソニンSを1日2回飲んで頭痛の鎮痛と解熱に役立てていた。ロキソニンが効いているあいだは楽なのだが熱が一向に下がっていかないのがかなり心配だった。罹患してから調べて知ったのだが症状が長引くのはコロナの特徴の一つらしい。4日目に差し掛かると熱が引いてくるかわりに喉の痛みが強くなった。よく聞く「ツバを飲むのも痛い」という状態で、市販ののど飴をなめてしのぐしかなかった。それも100が60ぐらいに軽減するという感じ。

5日目から高熱がなくなり、体力がもどってきて、ときどきスマホをいじる余裕が出てきてた気がする。6日目には動けるようになってて、部屋の掃除などを済ませて*1、7日目にようやく職務復帰した。

療養生活について。基本的にロキソニンで症状を抑えつつ回復を待つという戦略のみだった。一人暮らしだったので自分のことだけ気づかっていれば良かった。部屋はラジオを小音量でつけっぱなしにしていた。完全な無音になってしまうのがなんとなく怖かったのでそうしていたのだが、4日目ぐらいまではこれだけであまり退屈しなかった。言い換えると、自分の症状に付き合うのと回復のための睡眠を稼ぐのでまずは精一杯だったということ。食事はウィダーinゼリーとかアイスクリームとかヨーグルトとか。体力が回復してきてからは白米を炊いてレトルトの牛丼をかけたりした。そういえばコロナのいろいろな症状の中で「食べ物が口に入っていかない」が意外と一番辛かったかも。もちろん軽症だったという前提のもとでですが。Uber Eatsで頼める宅配スーパーは今回初めて使ってみてその便利さに感謝した。外に出なくても必要なものが1時間やそこらで届くのはすごい。ただし卵は頼まない方がよいと思った(あとで気付いたが、底が割れているものがあった)。

社会的なサポート体制について。東京都が24時間つながる電話窓口を開設・維持していたのがありがたかった。国は「コロナは明けた」ことにしたがっているようにしか見えないので、自治体でこうしたサービスがあることには驚いた。一般的な相談と、あと希望すれば看護師に健康面での相談ができる。一人暮らしで相談できる先がなかったので、意思決定の面で決定的な役割を果たしてくれた。医療には今回はお世話にならなかった。先の電話窓口も「かかりつけ医」をおすすめしてくれるのだが、私が発症した土日に営業していなかったのと(調べてみると開業医のようなところはほとんどそうみたいだ)、職務復帰前にも相談のために受診しようとしたのだが電話口で何か冷たく扱われて門前払いされた。ここは以前にも心因性と思われる体の痛みを相談しに行ったらなぜか皮膚科を勧められて受診拒否されたのだった。そのときもすごく出ていって欲しそうな冷たさが印象に残っている。この医院には二度と行くことはないだろう。

後遺症について。まだ風邪っぽい違和感がところどころに残っている。喉や鼻など。これはコロナ以前の体調不良でも、たとえば喉の調子が2週間ぐらい良くならなくてカラオケに行けないみたいなことは時々あったので、そこまで特別なことでもないのかなと思う。特別なことというと、6日目ぐらいから嗅覚障害に気付いていて、いまもものの匂いがほとんどわからない。匂いがすると分かっているものに鼻を近づけて思い切り吸い込むとかすかにする、というぐらい。味覚は、多少は変わっている気がするが甘さやしょっぱさは感じられる。ネギなどの薬味は刺激が不快に感じられるのでしばらくは(薬味としては)食べないことにする。匂いがないと食べ物の味が感じられないのではないかと危惧したけど、その方面の心配はほとんどいらなかった。匂いがないのに味は驚くほど変わらない。Brain fog 的なものは今のところない。これが一番恐れていたので少しほっとしている。もともと発達障害の特性なのか考えがまとまらないみたいなことはもともとあるんだけど。でも今はないけど後から症状が現れることもありそうだし、今後も注意が必要なんだろうな。新型コロナは手数が多い。

とりあえずそのぐらいだろうか。オミクロン株だからというのもあるだろうけど私はかなり軽症の方であるはずで、それでも症状はつらかったし(さっきも書いたけどごはんが口に入らないのがつらい。あとすぐには回復しないし、いろんな症状が入れ替わり立ち替わりやってくる)、症状のことを脇に置いたとしても仕事を1週間近く休むことになってしまったので当たり前ですが罹らないのが一番いいです。仕事もしてないし他の活動も全部ストップします。

あと、最後にTwitterのこと。私のタイムラインは見ていて気分が軽くなるものではないので、療養中はほぼ見ていなかった。今もあまり見てないけど、そのうち戻っていくのかな。この1週間は、あの場所がもっている負の磁場みたいなものを意識した日々でもあった。6日目ぐらいにちょっと手持ち無沙汰になってMastodonのタイムラインを追ったりしてたんだけど、そこで紹介されていたTwitterの話題が〈性被害を受けたミュージシャンを揶揄するコメントを「表現の自由」派の弁護士アカウントが投稿〉みたいなやつで、話題そのものとしてどうこうととは別に、こういうのが日常茶飯事な場所は「入り浸りたい」場所ではないという話。情報収集のために使うことはまだまだあるとは思う。

*1:前週に大阪に行っていたのがあり2週間以上掃除できてなかった。そのせいでゴキブリが出たり、台所の排水溝が詰まったりした。なにより、汚れた部屋でもとにかく症状が軽快したから仕事を再開する、という態度は自分を幸せにしない考え方だと思った。