楡男

一億人の腹痛と辞書と毛虫とオレンジと

むかごに化かされて

自分のダークサイドを掘り起こしていきたい。このダークサイドとは「暗部」の意、文字通り隠れている部分の意味で言っていて、特に反道徳的だとか過激だとかいう部分のことでなくてもよく、いろいろの事情で直視せずに済ませてきた部分のことを言う。要するに、自分が自分自身のことを大して理解していないとわかったということだ。

見ずに済ませてきたのは、その内容が社会的規範に照らしてイケナイことだからとは限らず、単に「面倒臭いから」ないことにしてきた側面というのも多分にあるんじゃないかと思う。いちいち立ち止まって直視するのがリスクだという判断をしてきた。動かしていた手を一旦休めることや、立ち止まった結果として軌道修正を迫られることが「リスク」だと感じられる程度には、私から見て世界の回るスピードは目まぐるしかったんだと思う。だからこの戦略は、世界から振り落とされないためにやむを得ず編み出した戦略でもあった。得たものより失ったものの方が大きい気がしているが、でも自分自身くらいはその意義を認めてあげなきゃいけないなと思う。